ディープパープルな野菜工場
食糧生産において農業の存在は必須なものであるのだけども、農業と
いうのはとかく不安定なものである。
農業による食糧生産は工業生産のようにはいかない。
まずは、天候の影響に大きく左右される。
植物は日照量や気温、降水量が生育速度にかかわるのでしょうがない
のだけれども。火山噴火なんかにも影響受けるね。
江戸時代、1783年に浅間山が噴火した時に、噴出した火山灰で
地球寒冷化、その結果飢饉が発生したことすらあるといわれてきた。
しかしこれどうやら別の火山の影響のようである。
いずれにしても火山灰って半端ないなぁ。
次に病害虫である。
イナゴやウンカ、病原体による攻撃に農作物は弱い存在である。
野生に生育している植物に比べると病害虫に弱い品種なども
少なからず存在し、そのために農薬を大量散布…
なんてことを人類やってきたわけで。
病害虫のコントロールってのはなかなか難しい。
スズメ大量虐殺で飢饉発生なんて事態も中国では起こってたし、
大体イナゴの大群相手だと人間の力なんて微々たる物だ。
戦いは数ですかそうですか。
また同じ植物同士で栄養素を奪い合うこともある。
雑草放置してたら農作物を育てるための肥料が奪われる、
それどころか
最悪農作物を枯らしかねない。
当然これらを抜くなり農薬で枯らすなり食べるなりするしかない。
こういったことから安定した食糧生産には大量のエネルギーが必要で、
しかもそれでも工業生産レベルで安定しているわけではない。
食糧生産も工業生産のようにコントロールできたらいいのだが…
コントロールするための最大の問題点は日照である。
太陽光のエネルギーは半端ないのだ。
単位面積あたりで太陽光と同じ量の光エネルギーを発生させようと
すると、普通膨大な熱も発生する。
物を燃やした場合だとそのほとんどは熱に転換される。
もっとも燃焼の場合熱に転換することが目的の場合が多い気もする。
白熱電球の場合でも相当の電気エネルギーが赤外線に転換される。
投入エネルギーと転換された光エネルギーのバランスを考えると
蛍光灯や発光ダイオードを用いる必要があるが、蛍光灯では
特定の波長の光を出すというのはやや困難である。
究極的には、赤と青の発光ダイオードで紫の光を植物に照射するのが
一番効率がいいということになる、
植物が緑なのは緑色の波長の光を吸収が低いためである。
緑色の光を浴びせても植物は生育しにくい。
緑色の波長を中心に吸収する太陽電池を使って、赤と青の波長の光に
転換することでよりエネルギー効率も高くするなんてことも可能かも。
必要に応じて発光ダイオードと太陽光を使い分ける完全密閉型温室、
これで植物工場も夢ではなさそうだ。
植物工場で使う植物は何でもいい。遺伝子組み換えとかしなくていいし。
最大のメリットは一切農薬使わないですむこと
。
農薬作るエネルギー不要だわ農薬による環境破壊はないわである。
肥料だって最小限で済むのだ。水耕栽培の進化系ともいえる。
実は健康志向のみなさまにもお勧めの商品
です。
経済産業省が試験的に植物工場を作っているようだが、それによると
レタスとかなら年に20回は収穫可能
だという。二十毛作って…
穀物などすべてに応用というのはなかなか困難だろうけど、都市近郊などで
野菜を安定供給するのにはいいかもしれない。
土地が少なくてすむし、2階建て、3階建てにして面積を稼ぐ
なんてこともやろうと思えば出来る。
普通の農業だとその不安定さゆえにどうしても経営者的側面も強くなって
しまうのだけど、野菜工場の労働者だと経営的なことまでは
やらなくてすむのでは?とも考えられる。
今問題の雇用対策としてもあり?
なのかもしれない。
最大の問題点は今日明日野菜工場で働けるってことはなさそうだという
ことです。とっとと実用化しろ…といっても投資するお金が…
食品加工工場向けの品種なんてのも作られそうだ…
四角いジャガイモとかりんご
とか…皮むくのは簡単そうだけど
ぱっと見美味しくはなさそう。
食品だから見た目も考慮しろと。